操る人形

操る人形

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「周りの意見に左右されず、自分で決めることが大切」――
そんな“正論”に、あえて疑問を投げかけた作品です。
主人公・直道は、幼いころから自分を導いてきた“人形”に頼りながら日々の選択を重ねています。しかし、周囲の嘲笑や自己嫌悪を経て、彼は「自分で決めること」と「他者の言葉を受け入れること」の間で揺れ動きます。 私はこの作品で、「すべてを自分の意思で決めること」が本当に自由なのかを問い直しました。親の言葉を聞くことも、誰かの価値観に影響を受けることも、“操られる”ことではない。
人は多くの声に導かれながら、それでも自分の道を選んでいく。
その曖昧で人間らしい過程を、音楽と映像で表現しました。 また、ある時、生きる意味を見失いかけた自分自身の心境の変化を重ねながらも、「どうせ生きるなら、楽しい方がいい」というささやかな答えを、この物語に刻みました。 脚本・監督はもちろんのこと、撮影・音響・照明・出演・編集・音楽のすべてを自ら手がけ、三年間の活動の集大成として卒業作品を完成させました。徹底した基礎技術に、こだわりを重ねた演出や攻めたカットにもご期待ください。 高校生ならではの「生」の声が、思考を揺さぶるきっかけとなってくださると幸いです。

テーマ・ジャンルヒューマンドラマ
高校成城学園高等学校 メディアアート部
応募者様佐藤瑠迦
時間11分25秒